電験勉強4日目 そろそろ二次の送電の問題が解けるようになってきたか?令和四年度電力・管理問2
今回の問題を解くのに必要な知識は、複素インピーダンスの計算、および前回のπ等価回路近似、単位法に加えて、単位法で表した時の変圧器が導線と同一視できるということ。これらがわかっていれば十分。
問題文は試験の問題と解答 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センターより引用。
私の解答
(1) 基準電圧、基準容量より、
基準電流は、基準インピーダンスは、
基準アドミタンスは
二回線送電線の直列リアクタンスは
より直列インピーダンスは
並列サセプタンスは
より並列アドミタンスはである。
π等価回路で並列アドミタンスが二分割されることに注意してπ等価回路を描くと以下のようになる。
(例によって図を描く能力が低すぎて電位差・電流および回路が交差する●を描けなかったので心の目で補ってください)
(2) π等価回路の右側の並列アドミタンスに流れる電流は
したがって直列インピーダンスに流れる電流はであるから、
直列インピーダンスの電圧降下を考え、
(p.u.)
左側の並列アドミタンスに流れる電流はであるから、
(p.u.)
(3) 変圧器のインピーダンスを考える。
基準電圧、基準容量より、
基準電流、基準インピーダンス、したがって
インピーダンスはオーム単位で、
これを1000MVの容量を基準にすれば(1)より基準インピーダンスは250Ωであるから、0.3 p.u.である。
すなわち変圧器は単位法ではj0.3 p.u.のインピーダンスのある導線に等しくなる。ゆえに
、インピーダンスでの電圧降下を考えて
(4) 題意よりであるから、
,
これと(3)より
∴ (p.u.)
標準解答と一致したので多分あっているだろう。このように、受電端の電圧が送電端よりも増加する現象をフェランチ効果というらしい。